単利と複利のはなし
2021年11月20日
リターン
オプション取引入門という本にあったコラムの内容が面白かったので、簡単にポイントをまとめておこうと思います。
「過去2年の収支は年平均でプラス2%です」と謳った投資信託やヘッジファンドに投資をしようと考える場合、それが何を意味するのか真剣に吟味してください。(オプション取引入門 P42)
単利表示リターンの平均
もしそれが「1年後ごとに計算した単利表示リターンの平均」という意味だったら、1年目が-20%、2年目が+24%という実績であっても平均は+2%になる。
この場合、実際に100万円を預けていたとしたら、1年目の終わりには、
となり、2年目の終わりには、
となるので、預けた100万円は2年後には99.2万円に減っていることになる。
真剣に吟味せずにす素直に受け取ってしまえば、以下のようなイメージを描くはずである。
連続複利表示リターンの平均
収支の意味が「1年後ごとに計算した連続複利表示リターンの平均」ということであれば、それがプラスの値なら通算では必ずプラスの利益を上げていることになる。
連続複利表示で、1年目のリターンが、
2年目のリターンが、
であったとすれば、その平均は
で、こちらもプラス2%となる。
連続複利表示で2%の場合、例えその実績が1年目マイナス20%、2年目プラス24%であっても、預けた100万円が2年後に104.08万円になっている計算になる。
相加平均と相乗平均
連続複利表示リターンの平均がプラスであるということは、「相乗平均」が1より大きいことを意味する。
0.8と1.24の「相加平均」は1より大きいが、それは「相乗平均」1より大きいことを意味するわけではない。
投資家にとって大切なのは、「相乗平均」が1より大きいことである。