1. 投資

投資の税制

投資商品は同じグループに集める。


2021年12月15日

内容の正確さは保証できません。ざっくり理解のための自分用メモです。

3つの課税方式

トレードで得た利益には税金がかかります。どのように税額が計算されるかは複雑怪奇。 理解するには「課税方式」と「商品グループ」について押さえておかなければなりません。

  • 3つの課税方式
  • 3つの商品グループ

まず、税金の取られ方には3つの種類があります。 商品によりどれに属するか決まっているもの、選択できるものがあります。

税金の取られ方は3種類

課税方式 タイミング
総合課税 総合課税 確定申告(翌年3月)
分離課税 申告分離 確定申告(翌年3月)
源泉分離 そこで完結(ただし確定申告で還付もある)

どれが有利なのかはその人次第です。選択できるものに関しては、自らの状況を把握して最適な課税方式を選択することが重要になります。

3つの商品グループ

続いて商品グループについてです。下の表を見ると商品グループには大きく3つあることが分かります。 同じグループ内では「損益通算」が可能です。

商品別損益通算

A B C D E F G H I J K L M
A 国内株式 -
B 外国株式 -
C ETF・REIT・ADR -
D 投資信託 -
E 外貨建てMMF -
F 国内債券 -
G 外国債券 -
H FX -
I 株価指数先物 -
J 株価指数OP -
K 国内商品先物 -
L CFD -
M 海外先物取引 -

第1のグループは「株式グループ」です。2016年以降、金利グループのうち円預金と外貨預金以外のものが株式グループに統合されました。

このグループでは配当や分配金は「配当所得」、売買損益は「譲渡所得等の分離課税」ですが、それらの損益通算が可能です。 それぞれの商品の細かいとことは下記リンクできれいにまとまっていました。

楽天証券 - 商品別税制詳細

第2のグループは「デリバティブグループ」です。 受け渡しを伴わず差金決済で完了する先物、オプション、FX証拠金取引、CFDなどがこのグループに属します。 このグループではスワップも売買損益も「雑所得等の分離課税」となります。

第3のグループはそれ以外です。表には海外先物取引を入れておきました。 海外先物取引の課税区分は「雑所得」で、課税方式は「総合課税」となります。

1つのグループに集中する

海外先物取引で利益が出て、第1第2グループのトレード損失が出ても、それらの相殺は叶わず、海外先物の利益は最悪な雑所得として総合課税されます。

また、国内株式の値下がりを先物でヘッジしたり、外国株式の為替リスクをFXでヘッジしたくとも、それぞれ税グループが異なるため損益通算や損失の繰り越しの対象とはなりません。

同じグループ内であれば、損益通算と損失の繰り越し(3年)が効きます。 したがって、トレード対象は特定のグループにまとめたほうが有利です。

口座の種類

トレードを行うには証券会社に口座を開設する必要があります。 国内の証券会社であれば、主に以下のような選択肢の中から開設する講座を選ぶことになります。

  • 特定口座
    • 源泉徴収あり
    • 源泉徴収なし
  • 一般口座
  • NISA口座

デリバティブグループは「雑所得」の「申告分離」となるため、特定口座の対象となりません。 つまり、特定口座は株式グループの税務申告を楽にする仕組みと言えます。

特定口座(源泉徴収あり)(源泉徴収口座)

課税方式で言えば「源泉分離」にあたります。最大の特徴は「確定申告が必要ない」ことです。 これは譲渡所得(売却益)が発生した段階でその都度税金分を自動で差し引き、売却損が出た場合には天引きされた税金が還付されるという処理が金融機関によって行われるためです。

これを選んだからと言って損益通算や損失の繰り越しの権利が無くなるわけではありません。 譲渡益が20万円以下だと税金を払いすぎてしまうことにもなるので注意が必要です。

特定口座(源泉徴収なし)(簡易申告口座)

必ず確定申告をしかければいけないので、大きな利益が出た時に「申告不要制度」を利用して逃げることができず、合計所得金額が上がって不利になります。

これを選ぶメリットは「資金の減らされた状態で次のトレードが始まる」のを避けられることです。 利益が出るたびに税金を払ってから再投資するよりも、課税されるのを後回しにして年に1度だけ最後にまとめて払った方が多くの資金が残ります。

考え方としては、「納税を後回しにして再投資することで得られる利益」と「合計所得金額が上がってしまうリスク」を比較して、前者が上回るなら簡易申告口座を選択することになります。

一般口座

一般口座だと、年間取引報告書を証券会社が作ってくれないので、自分で年間取引報告書を作って確定申告しないといけません。 特定口座では扱っていない商品の取引をしたい人以外はこれを選択するメリットはなさそうです。

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