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プットコールパリティ


2021年11月19日

コールとプットの関係

プットコールパリティ(put-call parity)とは、

  • ヨーロピアンタイプ
  • 同一満期
  • 同一権利行使価格

のコールとプットの価格の間に成り立つ関係式のことを言う。 1904年の書物に既に言及があるらしいので、かなり歴史がある考えのようだ。

オプションにおける様々な概念や関係式は、このプットコールパリティを元に導かれるので何よりも重要な式となる。

金利と配当が無い場合

AとBの2つのポートフォリオがあるとする。

A 権利行使価格Kのコール (C) Kドルの現金
B 権利行使価格Kのプット (P) 原資産(株式)

これらのポートフォリオの満期における価値を計算する。

株価Sが権利行使価格Kを上回る (S ≧ K)

ポートフォリオA


コールはITMとなり、(SK)(S - K)の価値を持つ。キャッシュKの価値はそのままKなので、この場合のポートフォリオAの価値は、

max(SK,0)+K=S max(S - K, 0) + K = S

となり、株価Sと同じということになる。

ポートフォリオB


プットはOTMで終わり無価値となる。原資産である株式の価値は株価であるS。したがって、ポートフォリオBの価値は、

max(KS,0)+S=S max(K-S, 0) + S = S

となり、株価Sとイコールとなる。

株価Sが権利行使価格Kを下回る (S < K)

ポートフォリオA


コールはOTMとなり無価値。キャッシュKの価値はそのままKなので、この場合のポートフォリオAの価値は、

max(SK,0)+K=K max(S - K, 0) + K = K

なのでKになる。

ポートフォリオB


プットはITMになるので、(KS)(K-S)の価値を持つ。 原資産である株式の価値は株価であるS。したがって、ポートフォリオBの価値は、

max(KS,0)+S=K max(K-S, 0) + S = K

なのでKとなる。

上記で想定したポートフォリオAとBは、株価がどうなろうと同じ価値を持ちます。 したがって、以下の関係式が成り立つことが分かります。

C+K=P+S C + K = P + S

これが、金利・配当がゼロの場合のプットコールパリティと呼ばれる関係式です。

コールとプットは同じ?

この式からキャッシュを除外すると、

  • コールは、プットと株式を買うのと本質的に同じ
  • プットは、コールを買って株式を売るのと本質的に同じ

ということになる。さらに、思考を進めると以下のようになるらしい。

コールは原資産を買う権利、プットは原資産を売る権利のことだと説明しました。この説明を聞けばコールとプットはまったく逆の性質を持ったもののように思えます。しかしながら、一部の振舞いを除くと、コールとプットは実はまったく同じ性質を持った商品なのです。(オプション取引入門 P27)

金利と配当を含む一般形

金利

無リスク金利(Risk Free Interest Rate)がある場合、ポートフォリオAのキャッシュの部分を修正する必要がある。 無リスク金利をrとし、T年後の満期にKとなる現在のキャッシュは、

KerT Ke^{-rT}

となる。したがって、金利を考慮したプットコールパリティは、

C+KerT=P+S C + Ke^{-rT} = P + S

となる。

配当

株式を含むポートフォリオBは配当をキャッシュとして受け取るので、この分をポートフォリオAに加える必要がある。

支払い日に受け取る配当額の現在値は、配当額を現在から支払日までの期間の分だけ金利でディスカウントした値となるので、ii番目の配当額をDiDi、支払い日までの期間をTiTiとすると、

D=DierT D = \sum{D_i e^{-rT}}

をポートフォリオAに加える必要がある。したがって、金利と配当を考慮したプットコールパリティは以下のようなる。

C+KerT+D=P+S C + Ke^{-rT} + D = P + S

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