これから日経225のデイトレをはじめるなら、先物やETFよりCDFがおすすめです。その理由を解説します。
2021年2月23日
日経平均株価をトレードする
よくニュースで目にする日経平均株価は、日本の株式市場の動向を簡易的に知るための指数です。 これは決まった計算式で算出した数値であって、実体のあるものではありません。
つまり、日経平均株価そのものを取引することはできないのです。そこで登場するのが、日経平均株価を取引可能にする金融商品群です。
これから日経225のデイトレをはじめるなら、この3つ内のどれかをトレードの対象にするのが一般的です。
金融の世界は競争が激しいので、需要の無い商品は淘汰されて消えてなくなります。 ですから、生き残っている商品は少なくとも市場参加者から必要とされているものと言えるでしょう。
いくつも選択肢があるのは、それぞれの商品に長所と短所の両方があるためです。 それらを加味して、「これから日経225のデイトレを始めてみよう」という方にお勧めの商品は何か というのが、今回のトピックです。
基本ワードの確認
どの商品が良いのかを考えるためには、基本的な用語の理解が必要です。
これらの言葉の理解に不安があれば、以下の記事を参考にしてください。
どの商品が良いかを判定する3つの基準
どの商品が良いのかは、はっきり言ってその人次第です。 メリットも活かせない人にとっては意味が無く、デメリットも人によってはデメリットになりません。
そのため今回は、「これからデイトレはじめる人にとって」という条件を付けて考えてみます。
デイトレのメリットを活かせるか
デイトレには、長期投資と違って大きな資金を必要としないという利点があります。
大きな資金を必要としないのは以下の2つの理由によります。
資金の回転はトレード回数とイコールです。 大きな値動きだけを待たずに、小さな値動きでもチャンスであれば積極的に狙っていくことで、トレード回数は増えます。 小さな値幅を取るためには、呼値(最小ティック)が小さい方が有利です。
資金にレバレッジをかけられるかどうかは、商品の特性次第です。 ですから、レバレッジをかけられない商品は対象から外れます。
最初は訓練期間と割り切る
デイトレをはじめようと考えた理由を突き詰めると、この2つの感情に行き着きます。
- 欲望
- 恐怖
「もっとお金が欲しい(欲望)」、「将来への備えをしておこう(恐怖)」などです。 人間は感情的になると冷静な判断ができなくなります。 「欲に目がくらむ」なんて言葉もありますよね。
デイトレに挑戦しようと思っているのですから、「デイトレをする=お金を稼げる」と考えていることになります。
お金を稼げる可能性があるのは確かですが、冷静に考えて「いきなりお金が稼げる」と思いますか? マーケットで鎬を削っているのは、百戦錬磨のプロたちです。 弱者を刈り取ろうとする人たちです。
あなたがこれから戦うのはこういった人たちなのです。 冷静に考えれば、知識も技術も経験も足りない初心者がいきなり勝てると予想することには無理があります。
初心者の内はまず負けます。 特にデイトレの場合、数をこなすことになるので、運の要素が減って実力通りの結果になる可能性が高まりますから、尚更です。
最初は、損失という名の授業料を払う訓練期間。これは誰もが通る道であり、この期間に必要な技術を身につけるのです。
この訓練期間に大きな額で臨めば、必然的に授業料は高くつくことになります。 ですから、初心者がデイトレをはじめるときは、なるべく小さくはじめられるものを選ぶことが重要です。
3つの基準とは
ここまでの話をまとめますと、
これらの条件を満たすものが、初心者にとってのお勧め商品ということになります。 特に重要なのは「小さくはじめられるか」です。
日経225デイトレをこれからはじめるならCFD
結論から言うと、CFDが最適だと言えます。その理由を説明します。
理由① 小さな値幅も狙える
小さな値幅でも利益に変えるには最小ティックが小さい方が有利です。
先物ラージ | 10円 |
先物ミニ | 5円 |
CFD | 1円 |
ETF | 10円 |
最小ティックは1円のCFDが最も小さくなっています。 ただし、CDFの場合、変動するスプレッドがありますので、先物ミニより常に有利であるとは限りません。
先物ラージは、そもそも初心向けではありませんし、最小ティックも10円と大きいので対象から除外しまます。
理由② レバレッジがかけられる
最小取引単位は以下の様になっています。
先物ラージ | 1000倍 |
先物ミニ | 100倍 |
CFD | 10倍 |
ETF | 1倍 |
20201年2月22日の時点の、SBI証券の日経225ミニ1枚の証拠金額は168,000円でした。
GMOクリック証券のCFDの証拠金は商品価格と同額です。
また、この時点の日経225先物価格はおおよそ3万円でしたので、そこからどのぐらいのレバレッジがかかるのかを計算します。
先物ラージ | 約20倍 |
先物ミニ | 約20倍 |
CFD | 約10倍 |
ETF | 1倍 |
ETFの1倍はレバレッジが効かないという意味になります。 ETFの現物取引は、同日に資金を回転させられないのでデイトレには不向きです。 そこで、信用取引の検討となりますが、それでも3倍。レバレッジ型の商品と組み合わせてもCFDの10倍には届きません。
資金効率では先物が有利だと言えます。CFDも10倍のレバレッジが効きまので、対象から外れることにはなりません。
理由③ 小さくはじめられる
対象が初心者であるなら、もっとも重要なのは「小さくはじめられること」です。 もう、この基準だけで商品を決めても良いくらいです。
理由②の表にある通り、最低取引単位で売買を行なったとき、実質保有しているポジションは、先物ミニは100倍、CFDは10倍となります。 当然、小さくはじめられるのはCFDです。
日経平均が100円動いたときのインパクトにも以下のような差がつきます。
先物ミニ | 10,000円 |
CFD | 1,000円 |
用意した資金が20万円ほどだった場合、先物ミニなら1枚しか売買できません。それも少し負けただけで、もうトレードを継続できるか怪しくなります。
こうなると「絶対に負けられない!」という心境になります。絶対の無い相場の世界で絶対を求める矛盾が生じるので、自然と悪い方へ悪い方へと進みます。
一方、CFDで3枚ぐらいに押さえておけば、心理的に追い詰められることも少ないでしょう。 また、複数枚の取引が可能だということは、分割売買の練習もできるということになります。
訓練期間では、是非ともこの分割売買の技術も学んでおきたいところです。
まとめ
綜合的に考えて、CFDが「これから日経225のデイトレをはじめる人」にお勧めできる商品となります。
今回の話は、あくまで「初心者向け」のものです。
- 短期売買の技術が身について、安定的に利益を上げられるようになる
- 利益を再投資することで売買サイズが徐々に大きくなる(資金量が増えてくる)
- 技術に対する自信がついてくる
- 資金が先物ミニを複数枚売買できるくらいまで育つ
こうなってきたら、先物にお引越しです。証券会社の提示するCFD価格の根拠は我々トレーダーには分かりません。 どう計算されたかはブラックボックスであり、その価格を受け入れざるをえません。
知識が増え、経験を重ねると、これに疑問を感じるようになります。すると、公平な市場取引、つまり先物の世界へと自然と目が向かうのです。
訓練期間の授業料は証券会社の売上となり、授業料を払う立場から利益を得る立場になったら相対取引のCFDとはお別れです。 「私の利益=証券会社の損失」の期間は短いものです。
スプレッドだけでなく、授業料も証券会社の売上。 授業料だけ払って学校に来なくなってしまう生徒が大半。 技術を身に付けた生徒は卒業していく。
まったくウマイ商売を考えたものです。