トレード日記の補足記事
2023年3月15日
略語
相場をいくつかのパターンに分類して状況判断を行います。 時間軸の異なるチャートでパターン認識を行い、パターンが示唆する「方向」が各時間軸で一致するタイミングを基本的なエントリーチャンスと考えます。
トレード日記の中では略語を使ってパターンを表すことが多いので、それぞれの略語の意味と状態ををまとめておきます。
CU/CD
- 上昇波動
- 下降波動
「Cycle UP」と「Cycle Down」の略です。 私は「値動きはサイクル成分とトレンド成分によって作らる」と考えており、 同じ上昇波でもサイクル成分が支配的な波動と、トレンド成分が支配的な波動とでは別物と捉えています。
これらはサイクル成分が支配的な状態で、SからRまでがCU、その逆のRからSまでがCDと判断します。
CU-L/CD-L
- 上昇の限界
- 下降の限界
Lはリミットで波動の限界の意味します。
サイクルをトレードに活用するメリットの1つは、波動の終わりを事前に察知できることです。 限界は、周期を計算し、その周期のどこにいるかで把握します。 これにより、場当たり的な対応ではなく、待ち構えることが可能になります。
波動の限界から、足安値の切り下げ、もしくは足高値の切り上げが発生すると、チャートに支持抵抗線を表すドット(S/R)が描写されます。
TU/TD
- Trend UP
- Trend Down
サイクルは上下動を繰り返すわけですが、限界を超えて続伸するなら、それはもうサイクル成分が支配的とは言えません。
サイクルから予想される支持抵抗線を越えて、一方向に進み続ける値動きをトレンド波(トレンド成分が支配的な状態)と考えます。 具体的にはRの上の値動きがTU、Sの下の値動きがTDです。
TU-SU/TD-SU
- TU Set Up
- TD Set Up
サイクル成分が支配的な状況では、「抵抗線(R)が現れた後はMAを割る、支持線(S)が現れた後はMAを越える」のがセオリーです。
それに反して、MAが支持抵抗線として機能する場合があります。 こういったケースではその後にS/Rを越えてくる可能性が出てきます。TU/TDの前段階とも言えるわけで、この状態をセットアップと表現しています。
セットアップは、R出現後にMAが支持線として機能する、S出現後にMAが抵抗線として機能することが条件であり、一旦ブレイクしてから復活するだけではセットアップに該当しません。 この辺りはインジケーターでフォローしきれていないので注意が必要です。
TU-PB/TD-PB
- TU Pull Back
- TD Pull Back
インジケーターの描写するS/Rは、SとRが交互に出現します。 したがって、Rを越える値動きであるTUにおいては、次に出現するSを上昇の目途として利用することはできません。
そこで波動の終わりを示唆するものとしてMAを使います。 トレンド波においてMAの転換もしくはMA絡みの動きが続く状態をプルバックと表現しています。
END
トレンド波からプルバック、そこから再度極値を試す波動をもって一区切りと考えます。 最終波動(ラストアタック)が終わり、一連の上昇波動もしくは下降波動が一区切りとなったタイミングで描写されるのがENDです。 反転のシグナルとして使用します。
S/R
- Support
- Resistance
インジケーターが計算する支持抵抗線です。 支持抵抗線の頭文字を略語としています。
跨ぐ動き
SR、MA、TL、これらは全ては支持抵抗線としての役割を期待しているのですが、割ったり越えたりを繰り返すようでは、支持抵抗線として機能していないことになります。 状況判断の材料にできない、こういった動きを「跨ぐ動き」と表現しています。
こういった状況では、跨ぐ動きを脱却しようとする、「越えて割らない」、「割って越えない」に注意を払います。
カウンター
S/Rを越える動き(= TD/TU)を狙うのは、ブレイクアウトを狙うことと似ています。 ブレイクアウトが失敗に終わる(ダマシ)と、損切が入ります。
流れの転換に繋がる場合もありますが、少なくとも一時的な逆行は期待できる状況です。 TU/TDトライの失敗を狙うのがカウンターです。
インジケーター
トレード日記に使用しているチャートのセッティングを紹介します。 使用しているチャートプラットフォームは「TradingView」です。
インジケーターは改良を続けながら使っているので、以下のインジケータを使用しても日記に掲載するチャートとまったく同じにならないかもしれません。 こちらで紹介するインジケーターは、コード非公開、旧バージョンのものが大半であることをご了承ください。
サイクル・オシレーター
チャート下段に表示している、サイクルの動向を計算するオシレーターです。 チャートの時間軸と上位時間軸の2つを表示しています。
SR
サイクル・オシレーターが計算する支持抵抗線をメインパネルに描写するインジケーターです。 SRに採用されるのは高値or安値となりますが、その際に過去何本分のデータを参照するかのパラメーターがあります。
MATL
こちらもメインパネル用のインジケーターで、MA、TLの2つの描写を行います。 これをメイン時間軸と上位時間軸とで2つ設定しています。
TLはトレンドラインの略で、値動きからサイクル成分を取り除いた残りがTLです。
8時45分に縦線を引く
TradingViewで日経225を表示した場合、セッションブレイクの表示をONにすると16:30に縦線が引かれます。 ここではなく、デイセッション開始の8:45に縦線を入れたいので作成したインジケーターです。
改造HMA(20230707)
改造したHMAをメインの移動平均線として使用することにしました。 このインジケーターはHMAの他にTLとSR、エントリーシグナルも合わせて表示します。
Cycle Navi
チャートから認識できる各種パターンにはそれぞれ意味がありますが、極論すれば上向きか下向きの2つに分類が可能です。 方向性が各時間軸で一致していないと、動き出しても叩かれることになりやすいです。
各時間軸がどちらを向いているかを簡単に把握するためのツールを作ってみました。 手動操作のため、MATL、SRが密集している場合は忙しないかもしれません。
時間軸
私が主に見ているのは、日足、195分、65分、13分、5分のチャートです。 この変則的な時間軸ですが、現在は特段の意味を持っていません。
場が開いているのが6時間半だとして、これを1時間足で表示すると7本の足が描写され、最後の1本は実質30分足となります。 これが気持ち悪くて、綺麗に割り切れる時間軸を探した結果が上記の構成です。
取引時間の延長により、現在では綺麗に割り切れなくなってしまったのですが、未だにそれらを惰性で使い続けています。 日足、4時間、1時間、15分、5分などの組み合わせが良いかもしれません。
追記(20221216)
特に理由があって変更したわけではないのですが、現在は上記の「日足、4時間、1時間、15分、5分」を採用しています。
チャートの分析
実際にトレードを行う前にチャートを分析し、トレードの計画を立てておきます。 チャートの分析には以下の5つを主に使用しています。
ZigZag
主要な高値と安値を線で繋げただけの線です。ZigZagはその形状から3つのパターンに分類されます。
- 上昇のZigZag(高値安値の切り上げ)
- 下降のZigZag(高値安値の切り下げ)
- トレンドレス
トレンド波は5波構成、調整波は3波構成を基本と考えていますので、波動のカウントも重視しています。 また、下降のZigZagで買うのことはないので、1波は見送って3波を狙うスタイルです。
4分割線
フィボナッチ・リトレースメントを使っても良いのですが、私はよりシンプルな「33%、50%、66%」を採用しています。
3本の水平線を引くことで、レンジを4つに分割します。レンジの外側も考慮すれば、相場を6つに分割していることになります。 特に重視しているのは真ん中(50%)です。
セオリー
チャートの分析を続けていると、しばしば同じような値動きが観察されます。 こうした繰り返される動きをセオリー(パターン)として認識し、チャート分析に利用します。
テクニカル分析の文脈でよく言及される一般的なものや銘柄固有のものとに別れます。
- チャートパターン(ダブルボトムなど)
- 波のカウント(5波動に対し3波動の調整など)
- 前日レンジのブレイクに失敗すると、前日レンジの真ん中を目指す