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インジケーターの使い方

インジケーターが陽転したから買いといった使い方をしていませんか? ダマシのサインを出すこともあります。そんな絶対ではないインジケーターとの正しい付き合い方を考えます。


2022年10月10日

絶対は無い

まず大前提として 「相場に絶対は無い」 という処から全ては始まります。 使い古された言い方をすれば、「相場に聖杯は無い」ということです。

私もその内の一人でしたが、なぜか初心者は「聖杯が有る」と考えてしまいます。 先達が口をそろえて「無い」と教えてくれているのですが、素直に信じることができません。 ですから、多くの人は遠回りをすることになります。 自分で方々探し回り、「無かった」という経験をして結局は同じ結論に至るのです。

そもそも相場の世界で言う聖杯とは何でしょうか。これは単刀直入に 「判断の基準」 と考えて良いでしょう。 聖杯が存在しないということはつまり絶対的な判断基準が無いことを意味します。 したがって、ある判断基準に従って行動した結果は、当たることもあれば違うこともあるのが普通 なのです。

これを受け入れられると「損切り」が苦痛でなくなったり、「頭と尻尾はくれてやれ」といった感覚で相場に臨めるようになり、 感情に囚われない一貫したトレーダーに成長する糸口を掴めます。

余計なトレード

裁量タイプのトレーダーは思惑を立てて相場に臨みます。この思惑が「絶対ではない判断の基準」です。 これは基準ですから、その場の感情に左右されてコロコロと変わってしまってはダメで、研究と経験を重ねてしっかりと固める必要があります。

書籍などを読んでアイデアを得ただけでは、とてもではないが動物的な本能には敵いません。 相場の上級者たちが仕掛けてくる揺さぶりに打ち勝つことは決して易しいことではないのです。 売買の記録を取れば、いかにその場の感情による飛びつきエントリーをしているかを自覚できるでしょう。

リスクをコントロールして退場せずに相場にしがみついていれば、 そのうち無計画なエントリーで損失となったトレードの記録が山となるはずです。 その一方で、「絶対ではない判断の基準」に従ったトレードが確かに利益を生んでいることが過去のデータで確認できます。

その結果導き出されるのは 「余計なトレードをしなければ、トータルで利益となるはずだ」 という考えです。

コントロールされる

データ上では、無計画なトレードをしなければ利益を得られることになっている。 だから 「無計画なトレードは止めよう」と考えますが、実はこれもまた難しいのです

なぜなら、計画的か無計画かを別ける基準自体が絶対的なものではないから です。 後からチャートを見返せば、自ら構築した相場理論の通りに動いていると分かるものも、リアルタイムではそうはいきません。 絶対でないが故に、感情に左右されて解釈が一意に定まらない のです。

人間は自分に都合の良いものしか目に入らない。これは本能です。 だから、チャートを自分に都合よく解釈してしまいます。 大きな陽線が出たら、買うためのそれらしい理由付けを高速でやってのけます。 グズグスしていたら置いて行かれるという焦りが、さらに判断力を鈍らせます。 これでは上級者の思う壺です。

まず、「ここから上がるだろう、下がるだろう」という自らの思惑があります。当たり前ですが、これは主観です。 問題は、この主観が自ら時間をかけ構築してきた相場理論に基づいたものなのか、 はたまた相場の値動きに翻弄されて、ある意味コントロールされたものなのか、 その判断を自分で下すことが出来ないことにあります。 自分で考えたつもりになっていても、知らずの内に誘導される。コントロールとはそういうものです。

オブザーバー

そのような前提に立てば、常に客観的で冷静な助言者の存在が必要なのは明白です。 必要なのは「indicate:指し示す」というより「observe:監視する」という役割を果たすものだと言えます。

インジケーターは、「相場を自分に都合の良い様に見ていないか」をチェックしてくれるオブザーバーとして使用することもできます。

オブザーバーですから決定権はありません。アクションを決めるのはトレーダーです。 ただし、オブザーバーの承認無しには実行に移さないというルールを設けます。 そうすると必然的に「自分の手に合わない相場は見送る」ことになり、「余計なトレード」を避ける事にもつながるのです。

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