相場が動き出す時にはいくつかパターンがある。その1つが「否定の動き」だ。パターンを認識できると相場への対応力が増すはずだ。
先手は不利
格闘技で上級者同士が戦うと、基本的に先に動いた方が不利になるようだ。 上級者というのは隙が無い、守りを固めた状態では尚更である。 隙が生まれるのは攻撃のタイミングで、それを事前に予測し対応することで活路を見いだせる。
相場も似たようなところがあるのではないか。買い方と売り方が争い、双方気合十分で睨み合っている時には隙がない。 こんな時は、やはり先に動いた方が不利になる。
否定の動き
何かきっかけがあって、味方がタイミングを合わせて一斉に動き出せれば良い。 しかし、それが適わずに散発的な動き出しになると、相手方に絶好の攻撃の機会を与えることになる。
買い圧力は、
- 新規の買い
- 返済の買い
によって構成されるのだから、上昇する時は「新規の買い」だけでなく「返済の買い」を巻き込んだ方が良いに決まっている。 返済の買いがロスカットの場合、その価格設定は似たようなところにある可能性が高いので、自然とタイミングが合う。 更にロスカットは連鎖するので勢いもつきやすい。
こんな状況を生むのが、「ダマシ」であり「否定の動き」である。 迂闊な動き出し(攻撃)が、正に隙となる。だから、ダマシからの動きは伸びることが多い のだ。
ダマシを活用する側に回れ
相手が隙を見せて攻撃のチャンスが生まれるタイミングがあるのだから、これは積極的に活用すべきだ。 例えば、自らの思惑とは逆の仕掛けがあって、それが否定されたタイミングで当初の思惑に沿ってエントリーする といった活かし方があるだろう。 これが成立するのは「否定の否定は肯定」となるからだ。
初動がダマシではなく本物であったとしても焦る必要は無い。本当に本物であったなら3波を狙えば良いだけである。 このような心構えで相場に臨めるのもトレンドフォローの利点だろう。
「動き出しがあってエントリーした結果、それはダマシで損切りとなった」といったことを多く経験しているなら、それは初心者の証拠。 初心者の最大の特徴は、感情で動くので目につく動きに反応してしまうこと である。理性というよりも、動物として本能で行動してしまう。 猫の前で何かを動かすと、それに反応して飛びついてくる。あれと同じだ。
そこから一歩前進して、「ダマシで思惑が肯定されたのでエントリーした」 という風になりたいものだ。